心の病を持つ患者さんへの対応

2021/9/29

日本では成人人口の10人に1人は何らかの精神疾患に罹患していると言われています。
精神疾患を患っておられる患者さんの治療で重要なのは以下の4つです。

①傾聴
②納得下での治療
③複数対応
④細かなカルテ記載

① 傾聴
訴えをよく聞いてあげてください。常識から逸脱したことをおっしゃいますが、精神疾患では幻覚や幻聴のある方もいらっしゃいます。客観的には如何に滑稽なことを言われていても、本人からすれば現実ですから軽視したり排除したりしてはいけません。我々がいくら長時間説明しても結局患者さんに伝わっているのは科学的な説明ではなく、自分に対しての一生懸命さや丁寧さなどの情緒的レベルである事が多いですから、気長に話を聞いて根気よく説明してあげてください。

②納得下での治療
何かしらの明らかな原因があり、患者さんの為を思って無理矢理治療しても、それが納得下でなければ、患者さんからすれば傷害になってしまいますから何を言われるかわかりません。

② 複数対応
幻聴や幻聴のせいで、言ってもないことを言ったと言われたり、体に触れてないのに触ったと言われたりすることがあります。

④細かなカルテ記載
患者さんは自分が言ったことも先生に言われたことも覚えてないばかりか、言ってもないことを言ったとおっしゃることがあります。言った言わないは堂々巡りになりますからカルテに細かく記載し証拠を残しましょう。

重度の精神疾患の患者さんの中には、包丁で歯科医師を刺したり、トラックで突っ込んだりされるような攻撃的な方もいらっしゃいます。自分やスタッフを守るためにも上手く対応してあげてください。また、人命の尊重と患者への献身という医師としての原点に立ち返り深い思いやりを持って接してあげてください。

トップに戻る