診療情報連携共有料(情共)について

2021/10/10

診療情報連携共有料(情共)について
 

歯科診療報酬改定により、診療情報連携共有料(情共)が新たに掲載されました。この情共は歯科から医科への発信において初めて評価された点数で、医科歯科連携にて質の高い、効率的な診療を行ううえで非常に重要な項目です。
 

情共の対象となるのは、慢性疾患を有する患者、または歯科診療を行う上で特に全身的な管理の必要性を認め、検査結果や診療情報を確認する必要のある患者です。

 

患者の同意を得たうえで、別の保険医療機関(歯科診療を行うものを除く)での検査結果や投薬内容等の診療情報について、文書により照会した場合に算定します。なお、診療情報提供料(Ⅰ)(情Ⅰ)は、照会では算定できないのでご注意ください。(情Ⅰは、別の保険医療機関での診療の必要を認め文書で紹介したときの算定となります。)

 

診療情報連携共有料(情共):120点
 

保険医療機関ごとに患者1人につき120点を診療情報の提供を求めた日の属する月から起算して3か月に1回限り算定し、レセプト摘要欄に連携先医療機関名の記載が必要です。
 

(全体その他欄に「情共 120× 」と記載し、摘要欄に連携先の保険医療機関を記載。)

交付した文書の写しおよび主治医からの文書は診療録に添付してください。

 

算定イメージ

歯科保険医療機関:検査結果などを文書で照会【情共120点】→ 医科保険医療機関

歯科から情共にて照会し、医科から文書により回答された診療情報にて下記項目を算定することができます。
 

 

【医科保険医療機関の医師からの診療情報提供に基づき算定できる項目】

  • 歯管の総合医療管理加算(+50点)、歯在管の在宅総合医療管理加算(+50点)

(糖尿病の患者、骨吸収抑制薬投与中の患者、感染性心内膜炎のハイリスク患者、関節リウマチの患者、血液凝固阻止剤投与中の患者)

  • 睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置の製作
  •  
     

  • SPT(Ⅰ)にて、

ロ 全身的な疾患の状態により歯周病の病状に大きく影響を与える場合、

ハ 全身的な疾患の状態により歯周外科手術が実施できない場合、

の理由で治療間隔の短縮が必要となり SPT(Ⅰ)を月1回算定する場合。

  • 歯周ポケットが4mm以上の歯周病を有する糖尿病患者に対し、歯周基本治療と並行して計画的に1月間特定薬剤(歯科用抗生物質製剤に限る)の注入を行った場合の歯周疾患処置(P処)。
  • 歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者において、非金属歯冠修復、強硬度硬質レジンブリッジにて歯冠修復・欠損補綴を行う場合。

 
 

以下のケースでは、情共が算定できないのでご注意ください。

     

  • 「特別の関係」にある保険医療機関に対して診療情報の提供を求める場合。

(特別の関係とは、複数の保険医療機関などの開設者(法人)や代表者が同一または親族であるなど、相互の経営方針に影響をおよぼしうる可能性がある場合をいいます。)

  • 同一医療機関に対して同一患者に係る情Ⅰを算定した月の情共の算定。(ただし、同一患者であっても、別々の医療機関に対する場合は算定できます。)

 
 

以上、日常臨床にご活用いただければ幸いです。

 

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